看護師の人手不足を解消するチーム医療

看護師の人手不足は、医療の現場において深刻な問題となっています。この問題に対応するために、「チーム医療」を推進する病院が増えてきているようです。
チーム医療とは、薬剤師や事務職、臨床工学技士などの他分野のスタッフが看護師や医師とチームを組んで行う医療体制のことです。チーム医療では、各職種ができる最大限のことを行い、看護師や医師の負担を減らすことを目的としています。例えば薬剤師が薬の処方だけでなく、薬の管理や説明まで行ったり、入院の手続きや案内を事務職が行ったりすることによって、看護師や医師は自分本来の仕事に集中できるというわけです。

これに加えて、看護補助者を置いている病院もあります。看護補助者とは、看護師の仕事を補助する役割を担う人です。これまで看護師は書類の作成や診療録の準備なども自身で行ってきたが、看護補助者はこれらの仕事を代行してくれます。
また、看護師それぞれのライフステージに合わせたサポートを実施している病院も多いです。妊娠や出産、子育てなどを終えたあとでも看護職に復帰できる機会を作り、これまでの経験や知識、キャリアを活かせるような環境を提供しています。職場によっては、夜勤専従で臨時看護師を雇うなど、昼に勤務している看護師に負担にならない勤務体制を導入しているところもあるようです。

これらの取り組みにより、看護師の負担を少しでも減らし、さらには勤務時間短縮に繋がることが期待されています。厚生労働省の調べによると、看護師が離職するのは、妊娠や出産などの理由以外に、勤務時間の長さや夜勤回数の多さなど、勤務面で負担に感じている人も多いとされています。勤務時間を短くし、夜勤などの負担を減らすことで、離職者を減らすことに繋がるかもしれません。
また、2019年4月からは働き方改革関連法が施行され、残業の上限規制や有給休暇の取得などが義務付けられました。この取り組みも看護師の人手不足解消に繋がる一手としても期待が寄せられています。